ウェブマガジン DIG THE TEA
嗜好品は人類にとって「必要品」である:前編
嗜好品は人類にとって「必要品」である:前編
人類の死滅を防ぐために必要な「うずくまり」:後編
2022年2月17日、18日公開
ウェブマガジンDIG THE TEAにてインタビューが公開されました。嗜好品をテーマにお話しています。どうぞご覧ください。
【概要】
酒、タバコ、茶、コーヒー……栄養の摂取ではなく、覚醒や鎮静を得るために口にするものを、われわれは「嗜好品」と呼ぶ。人類はなぜ、一見すると生存に不可欠ではなさそうな嗜好品を求めるのだろうか。
そもそも「嗜好品」は日本語に特有で、他国語に訳出するのが難しい、不思議な言葉だ。初めてこの言葉を使ったのは、森鴎外だとされている。1912年に発表した短編小説『藤棚』で、嗜好品を「人生に必要」で、「毒」にもなるものと表現した。薬にも毒にもなる、曖昧さと両義性をはらんだ「嗜好品」。『DIG THE TEA』では連載シリーズ「現代嗜好」を通じて、嗜好品が果たす役割やこれからのあり方を、第一線の知識人との対話を通じて探っていく。
そもそも「嗜好品」は日本語に特有で、他国語に訳出するのが難しい、不思議な言葉だ。初めてこの言葉を使ったのは、森鴎外だとされている。1912年に発表した短編小説『藤棚』で、嗜好品を「人生に必要」で、「毒」にもなるものと表現した。薬にも毒にもなる、曖昧さと両義性をはらんだ「嗜好品」。『DIG THE TEA』では連載シリーズ「現代嗜好」を通じて、嗜好品が果たす役割やこれからのあり方を、第一線の知識人との対話を通じて探っていく。
第4回は、人類学者の中沢新一をたずねた。1983年に刊行した『チベットのモーツァルト』から近刊の『レンマ学』まで、古今東西のあらゆる知をダイナミックに渉猟しながら、心と脳をめぐる探究を繰り広げてきた中沢氏は、東洋的な「レンマ的知性」による人間諸科学の解体と再編成を試みている。前編では、嗜好品が持つ、文化システムの「外にはみ出す」特質を踏まえ、人類誕生と同時に現れた「必要品」としての余剰、そして文化というゲームが喚起する、超越性への欲望について語ってもらった。